置戸町(おけとちょう)にある「鹿の子温泉 鹿の子荘」へ行ってきました。ココは置戸市街地から13キロメートルほどのところにある鄙びた温泉宿です。道路沿いに
鹿の子荘の看板があり、そこを曲がると常呂川に架かる温泉橋がありました。橋を渡った先にあるのが鹿の子荘です。屋根の上に温泉マークが乗っかっていてオモシロいですね。それでは中へ入ってみましょう。
中へ入ると写真のような感じのエントランスとなっていました。
4年前に訪れた時と同じ感じで何だかホッとします。今回は宿泊での利用なので、受付でチェックイン手続きをして二階の客室へと案内していただきました。
写真は二階のホールです。殺虫剤やガムテープが置いてありました。廊下には共同利用の冷蔵庫が設置されています。ポスターの貼ってある細い廊下の先が
トイレとなっていました。トイレには
ウォシュレット付きの便座があって快適に利用できます。
こちらが今回泊まる部屋です。やはり和室は良いですね。人手が足りないので先にお布団を敷かせていただきましたとのコトでした。シンプルな客室でテレビやストーブ、
お茶セットやガムテープが置いてあります。それでは
浴衣に着替えて大浴場へ行ってみましょう。
御殿方大浴場へとやってきました。
男鹿の湯と書かれた暖簾をくぐると男湯の脱衣所があります。壁には
温泉分析書や温泉分析書別表、
注意書きなどが掲示されていました。右側にある
オレンジ色のカゴは貸しタオル返却用のカゴです。さっそくスッポンポンになって扉を開けると
洗面所のような場所があり、その先が浴室となっていました。
こちらが浴室です。巨岩が圧巻の素晴らしい浴室ですね。中央の浴槽は女湯と繋がっていて相当大きなモノでした。かつては混浴のような感じだったのですが、時代の流れとともに男女別の浴室となったようです。混浴というのは日本の文化的なモノだったのですが、いつしかそういう風習は敬遠されるようになってしまったようですね。
まずは
上部の浴槽へ入浴してみました。先ほどの写真の
右側にひっそりと写っている湯船がそれです。
背後にあるバルブから源泉が注がれていて、硫化水素臭が顕著に感じられました。大きな湯船も良いのですが、鹿の子荘と言えばやはりこの湯船ですよね。
隠れ湯船的な感じが好奇心をそそります。混浴だった頃は
ココから様子を窺ったのでしょうか?
湯船へ浸かると
お湯が溢れ出してザーっと下へ流れていきました。その流れ出る音が何とも言えず快感なのです。
メインの湯船です。女湯との間にある
塀の部分には何年か前までは水車が設置されていて、向こう側が見えるような造りとなっていました。
天井から延びている灰色のパイプはその当時の名残で、かつてはそのパイプから流れ出す温泉で水車を回していたとのコトです。現在もパイプには温泉が流れていて女湯側の湯中へ直接注がれていました。
この大岩は凄いですね。どうやって浴室へ入れたのでしょう? いや、後から入るワケがありません。この浴室を造る際にあらかじめこういう岩風呂にするというコトで、岩を配置してから浴舎を建てたのでしょう。こだわりの感じられる浴室ですね。横には
謎の休憩スペースみたいな場所がありました。
浴室出入口のところに
シャワー付きの洗い場があって、シャンプー等も備え付けられていました。さて、この源泉(No.156-003)の泉質ですが、成分総計357ミリグラムの無色透明な単純泉で、pH値が9.7あります。源泉温度は43.4℃で、湯口付近の湯温は41℃ほどとなっていました。若干ぬるめで長湯できるのが良いですね。浴感はツルツル感が強く、しっとりとして落ち着く感じのする素晴らしいモノです。成分総計だけでは判断できない良泉の典型的な例と言えるでしょう。湧出量も豊富で
湯船のフチからドバドバとかけ流されていました。
温泉の後は楽しみにしていた夕食です。食事は夕食、朝食ともに
一階の食堂でいただきます。今回は最後というコトで一番高い10,500円のコースにしてみました。本日はこのために朝からサンドイッチ一個しか食べていません。追加で
生ビールを注文して食事のスタートです。左の方から
ビーフシチュー、
蟹の茶碗蒸し、ホタテのグラタン、
毛ガニ、
刺身・・・。
続いてサーモンのイクラ添え、タチ、焼き蟹、エビ、魚・・・。一時間以上かけてジックリと食べましたが食べきれず残してしまいました。こういう時、少食な自分が悔やまれます・・・(笑) こんなに沢山食べたのは久しぶりだなぁ~。食後は部屋へ戻ってスグに寝ました・・・。夜中二時頃にお腹が痛くて目が覚めます。もう、お腹がポンポンで大変でしたが、深夜に温泉へ入ったら不思議と治りました。薄暗い中で浸かる鹿の子荘の温泉も良かったです。
こちらは翌日の朝食です。階段を降りて行くと焼き魚の良い香りが漂っていました。左の方から
ベーコンエッグの陶板焼き、煮物、ほうれん草、
筋子、味噌汁、漬け物、
焼き魚です。焼き魚は骨までパリパリに焼いてあって、骨ごと食べるコトができました。香ばしくて美味しかったです。
朝食後は最後の入浴を楽しみました。この日の宿泊者はボク一人だったので、存分に鹿の子荘を堪能するコトができたと思います。ご存じ無い方は何が「最後」なんだろう?と思うかもしれませんが、鹿の子荘は今月末を目途に閉館してしまうコトが決定しているのです。帰る際に女将さんとお話をしました。今後のコトはまだ決まっていないのですが、建物は老朽化のため取り壊してしまうようです。あのステキな浴室もきっと壊してしまうのでしょう。素晴らしい源泉はどうなってしまうのでしょうか? 温泉橋を渡るのも最後かなぁと思いながら鹿の子荘を後にしました・・・。
★鹿の子温泉 鹿の子荘(かのこおんせん かのこそう)
場所 : 北海道常呂郡置戸町常元340
電話 : 0157-54-2042
料金 : 400円
営業 : 09:00-20:00
休業 : 年中無休
宿泊 : 15:00-10:00
泉質 : 単純泉(アルカリ性低張性高温泉)
成分 : 成分総計357ミリグラム(Na-Cl・SO4)
泉源 : No.156-003(鹿の子2号井)
備考 : 2010年11月上旬をもって廃業(解体済)
感想 : ★★★★☆
釣りダー
釣りダー
よし
ひさを
かわちゃん
米谷
ちゃっぴー
ちゃっぴー
えむご
こに